2024 年の天文現象
太陽 :第25期の活動は次第に活発となり、今年か来年が極大のピークを迎えるか?と言われています。
太陽面では、北緯、南緯とも20°くらいのところに、次々と黒点群が現れていますが、ときおり、30°を越す群が現れたりします。
また、太陽はガス球なので、高緯度ほど自転の速さが遅くなります。ところが、同じ緯度でも、まれですが、他より速い自転速度の群が出現し ます。
太陽黒点の観測をしておられる方は、単極性の群の自転角速度(°/日)を測定してみて下さい。自転角速度の測定は、最小自乗法を使う方法 があります。
ゆくゆくは、論文の形で公開したいと思います。
スケッチから位置を測定するには、太陽面経緯度図を使いますが、岐阜天文台版としても、昨年末に公開したものがあります。
これは、中心部経度でW60°〜E60°までを、2°間隔で経緯線を引いたものです。よければ使ってみて下さい。(pdfファイルです)
フレアや、太陽風については、宇宙気象予報などを見て下さい。
日食は、2回起こり、4月9日の皆既日食は、メキシコから合衆国を経てカナダ方面、10月3日の金環日食は、南アメリカ大陸南端とイースター島で見ら れます。
月 :部分月食が9月18日に大西洋上を中心に見られます。陸地では、アメリカ東海岸とヨーロッパ西海岸が、食の全体を見られます。
彗星 :今年5等星より明るくなる可能性のある彗星は、3個ほどです。
12P ポン・ブルックス周期彗星:1812年の発見以来4回目の回帰。3月下旬〜5月中旬までは4等以上に明るくなると予想。但し、この頃の通過星座は、おひつじ座からくじら座・エリダヌス座なので、夕方の薄明と重なりそうで、観測条件が難しいです。
ツーチンシャン・ATLAS彗星:2023年2月発見。9月〜11月初旬に、4等以上、特に、10月上旬には、尾が伸びて1等級くらいの明るさになるかもとの予想があります。期待したいですね。
水星 :夕方の西空 3月中旬〜4月初旬、7月、11月中旬。
特に3月20日過ぎあたりは20°に近い高度になり、観測好 機。
明け方の東空 1月、5月初旬、9月初旬と年末。
年末には15°以上で、観測好機です。
金星 :年初めには、明けの明星で、次第に高度が下がって、6月が内合となり、そこからは明けの明星で、年末に向かって、次第に高度を上げていきます。今年は、内合がないので、大きくは見えません。高度が30°を超えるのは、年初と年末だけです。
3月24日には、金星食がおこり、沖縄と九州南部で見られます。
火星 :今年は、2025年1月12日の衝に向かって、次第に視直径が大きくなっていきます。観測好機の前半になりますが、小接近に当たるので、最大でも、視直径は、15″程度です。2月22日には金星と、8月14日には木星と接近します。
木星 :今年は、おひつじ座からおうし座に移ってきて、冬の星座の中で輝きます。
5月の合を過ぎると、明け方の東天に見られるようになります。冬の星座が見られるようになる秋以降は観測高度が次第に高くなり、観測好機となります。
土星 :今年は、みずがめ座にあって、初夏から年末にかけて、高度が次第に高くなり、観測しやすいです。2025年には、輪を真横から見るようになり、何度か、輪の見えない土星が見られるが、今年は、その前年で、輪の明るさが、ずいぶん暗く見えることでしょう。
流星群 :1月−−−しぶんぎ座(4日18時ころ極大予想、今年は月齢22の月が上ってくるので、条件はあまりよくないです)
8月−−−ペルセウス座 (12日23時頃が極大予想)。上弦あたりなので、月が沈む夜半過ぎには条件がよくなります。13日夕方から14日未明には、母天体である、テンペルタットル彗星のダストトレイルの中を地球が通過するので、それにも注目したいです。今年、一番期待の持てる群になります。
11月−−−しし座(17日21時ころ極大。 ちょうど満月にあたり、条件は最悪)
12月−−−ふたご座(14日10ころ極大。月齢12の月があって、条件は悪いです)